地震大国の日本では毎日のように地震が起こっています。
震度1の地震もあれば、生命を脅かすほどの大きな地震も度々起こるのが
私たちが暮らしている日本という国です。
地震には「海溝型地震」と「直下型地震」の2種類があり、
海溝に沈み込む海のプレートが陸のプレートを引きずり込もうとする時、
陸のプレートが元に戻ろうとする力によって発生する地震のことを「海溝型地震」と言い、
内陸部でプレートの内部がひずみ、限界に達して起こる地震を「直下型地震」と言います。
現在話題になっている「南海トラフ地震」や2011年3月11日に発生した「東日本大震災」は
「海溝型地震」にあたります。
1995年の「阪神淡路大震災」2004年「新潟県中越地震」2016年「熊本地震」は
「直下型地震」です。
南海トラフ地震では広い範囲で甚大な被害が予想されており、
ほとんどの地域で震度4〜震度7の大きな揺れが起きると考えられています。
また、直下型地震はいつ何時起こってもおかしくない地震です。
地震は今後何度も私たちを襲ってきます。
日本で暮らす上で、地震とどう向き合うかが大事なことだと知っているはずなのですが
住宅業界ではどうも地震への対策が甘いように感じます。
熊本地震で被害が大きかった益城町では、震度7の揺れが2回観測されました。
多くの家屋が倒壊・損傷し、多くの方が自分の家を失いました。
その中で、耐震等級3の住宅の倒壊は0棟で損傷は一部ありましたが無被害と判断された住宅が多く
あれだけの被害があった中、住み続けられる家ということで
耐震等級3はこれから必須だということを教えてくれました。
(参考資料:「熊本地震における建築物被害の原因 分析を行う委員会」報告書のポイント 国土交通省 住宅局https://www.mlit.go.jp/common/001155087.pdf)
しかし、未だに国の最低基準の耐震等級1やその次の2で建てている会社が多く、
私自身、年間10棟ほど新築を建てている工務店の社長さんから
「耐震等級3にすると家がボキッと折れてしまうからやめた方がいい」と言われ
衝撃が走りました。
そんなデータはありませんし、逆に耐震等級3の建物が住宅も生命も守れる根拠の方が
確実に多いはずです。
別の建設会社の方にはこう言われたこともあります。
「耐震等級3はお金がかかるからやめた方がいい」
「制振ダンパーを入れた方がいい」
その建設会社さんは数多くの住宅を建てていました。
1棟あたりのコスト(時間・お金)を下げたいがための発言です。
もちろん、耐震等級3だから確実に守れるわけではありません。
それでも耐えられない地震が起こる可能性はゼロでは無いからです。
しかし、必ず起こることが分かっている地震に対して
安全側に設計する方法があり、しかも実証もされているのが
許容応力度計算による耐震等級3です。
耐震等級2でよいということは、わざと安全から外しているということになります。
とても地震による凄惨な歴史から命の大事さを学んだとは言えない
発想です。
M-1 HOMEの考え方では、「災害リスク」に備えた家づくりを重要としています。
リスクに備えた保険はどの保険会社を選ぶということだけではなく
どの住宅会社で建てるかも大事なのでは無いでしょうか。
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