気密のこと

ここ数年の間に高断熱高気密住宅の重要性がかなり浸透してきたように感じます。
国の基準でも断熱等級が7まで新設され、大手ハウスメーカーさんをはじめ、
地域の工務店さんでも高断熱高気密を主力として展開していることが多くなってきています。

これはとても良いことで、今までの日本の住宅業界の考え方からすると偉大な進歩だと思います。
世界的に見ても日本の住宅の質はとても悪く、低い性能の住宅がほとんどなので
高断熱高気密の考え方が広まっていくこと自体は素晴らしいことです。

しかし、住まい手さんのことを考えたわけではなく、高断熱高気密を「時代の流れで仕方なく」や「流行り」と捉えて
「商品」として売り出している会社が多くあります。
つまり、仕方なく取り組んでいるので断熱のことも気密のことも勉強しないまま売り出してしまっている可能性があります。

そうなると、健康的でも快適でもない短命の住宅になってしまう可能性が高いのです。

特に「高気密」について知らない住宅会社さんが非常に多いです。

高気密住宅というのは建物に空いているスキマが少ないことを指します。
スキマの少なさは「C値」という数値で表されます。
このC値は低ければ低いほど、その建物の延べ面積に対してのスキマ面積が小さいということです。
最近は住宅会社さんのカタログにも「C値0.5(当社モデルハウス実測値)」などが書かれることが
増えてきました。
ちなみに、C値0.5という数値はとても良い数値です。
一般的にC値は1.0を切らないと気密が良い住宅とは言えません。

そして、気密が中途半端に悪いと適正な換気が行われず
身体や建物に悪影響を及ぼします。
アレルギー症状の悪化や頭痛、
結露や断熱材の劣化など
他にも様々な形で住まい手さんと建物にダメージを負わせます。

また、ただただ高気密にすれば良いかと言われたら
微妙なところで、換気をセットで考えていない住宅の場合は
高気密でも逆に健康被害が悪化する恐れがあるため
気密と換気は非常に重要な隣り合った関係と言えます。

換気は別の機会にお話するとして、高気密の話に戻ります。

気密性能の良い住宅はマストですが、
気をつけていただきたいのは、C値というものは施工によって
良くも悪くもなるということです。
建物のスキマを無くすのは職人さんをはじめとする施工メンバーです。
たとえ良い材料を使っていたとしても、気密処理の腕が悪ければ気密は取れません。

もしくは、それ以前に気密について知らない住宅業界の方が圧倒的に多いことが
問題かもしれません。

今は少なくなりましたが、住宅会社の営業マンや設計士さんの中には
「気密を取ると息苦しくなるからやめた方がいい」という
信じられない考え方を持っている方がいます。
私も出会ったことがあります。
24時間換気システムを入れないつもりなんだなこの会社は。と思いました。

そのような考えだけではなく、危険なのは
自社の気密がどれほどのものなのかを把握していないことです。
先ほど住宅会社のカタログで「C値0.5(当社モデルハウス実測値)」という文言を出したのには
理由があります。

それは、「気密性能は1棟1棟測らないと分からない」ということです。
モデルハウスでC値0.5だったとしても、Aさんの家はC値3.5だった。なんてことがあり得るのです。

そういった事態を引き起こさないためにも全棟気密測定は必須だと考えています。
職人さんや施工メンバーに気密測定をする意識があれば
スキマが多い住宅にはなりにくいです。

M-1 HOMEでは全棟気密測定を行い、C値は1.0以下を保証します。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次